硬派の宿命・野望篇

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私的美人考










この時代(70年代後期~80年代初頭)の化粧品のモデルは本当に溜め息が出るほど綺麗だったと思う。
これは当時、私が多感だった少年故の鮮烈な経験という贔屓目な理由だけではなく、現在の視点で見ても彼女たちは現在の同世代のモデルやタレントと比較してもヒケを取らないどころか、別次元の神秘性や非日常性を纏っている。

現代の女性は一般人も含めて総じて「外面の美しさ」では、当時とは比較にならないほどレベルが高くなっていると、街の雑踏を歩いていて何時も思う(中身はよく知らんが)。
しかし、本来抜きん出た存在であるべきモデルやタレントが相対的に埋没してしまい、また情報網の発達でその神秘のベールが薄れて(あるいは「等身大」というイメージ戦略もあるだろう)増々一般女性との格差がなくなってしまった。これは80年代以降の化粧品のCMモデルが私たちと同世代のアイドルという名の「身近さ」と若さによる「瞬間風速」だけに頼ったジャリタレにその座を奪われていったとう歴史を見ても明らかである。

また、当時のCMはタイアップ曲の選定やそのマッチングが実に秀逸だった。今でも映像と音楽のセットで記憶に焼き付いているほどだ。
これは歌謡曲にとっても黄金期と呼べるような良き時代だったという相乗効果もあるだろう。90年代以降の「記憶に残らない」ツマらん音楽との安易な出来レース的ゴリ押しタイアップとはワケが違ったのだ。

後年、彼女たちが芸能人化し、たとえ加齢やスキャンダルによって神秘性をすっかり失ってゆく「その後」を見てしまったとしても、むしろ当時のCMの中で輝いていた彼女たちの姿がより神々しく感じられてしまう。それと同時に、美の儚さや無常感がじんわりとこちらの体内に滲み込んでくる。
こうして傍観者・観察者としての男たちもまた成長してゆくのだろう。

燃える指

昨夜、一日の作業ノルマを終えそのままPCの前で「とりあえず一服」しようと思い、やおら愛用のパイプに煙草を突っ込み始める。
ちょっと前に阿佐ヶ谷で入手した、50年代のオイル式だった頃のダンヒル(前日の記事の写真に写っているやつ)で着火しようとしたが、丁度オイルが切れていた。

ライターの底蓋を外し、ジッポーのオイル缶からちょろちょろと注油する...この間、集中力を要する作業が終わった直後だった為に、ずーっと放心状態。これがいけなかった。

ぼーっとしながらパイプをくわえてボウルの中に詰まった葉に火を点けようと右手親指でライター側面にある着火ホイールを回す。

ボンッ。

次の瞬間、ダンヒルを握る右手がめらめらと青白い炎に包まれていた。
注油した際、ライターの外装にオイルがあふれ出てしまい、浸透性がよいから指先にまでまんべんなくいき渡ってしまっていたのだ。引火した際の炸裂音に驚いて、ようやく朦朧としていた頭が正気に戻った。
さほど慌てることもなく、ブンブンとスナップを利かせながら手首を勢いよく振って鎮火させる。3,4秒は燃えていただろうか。

「あー、またやっちまった」

実は9年前にも同じように右手を炎上させたことがあった。
大船にあった独身時代の家人の住居にて休日を過ごしていた夜で、やはりオイルをひたひたにしたジッポーで着火した際に炸裂音と共に右手全体が燃えてしまった。原因は今回と同じくオイルの入れ過ぎだった。指毛がすべて消失した際の焦げ臭さをいまだに記憶している。

その時は鎮火後すぐに水の入った洗面器に手を突っ込んで冷やしていたのだが、5分ぐらい経ってから指全体に刺すような痛みが走り始めた。
丁度晩飯前だったのだが、とてもじゃないが箸など持てる状況ではない。水の中から出し空気にふれた途端に指の皮膚全体にズキズキと激痛が走るのだ。そうこうしているうちにどんどん痛みがひどくなってくる。
我慢出来なくなったので最寄りの救急病院の夜間外来へ駆け込んだ。幸い家から徒歩数分の距離だったので、水を張った洗面器を左手に持ち、右手を水に浸けたまま向かった。

美人の担当医から「軽いヤケドだからひたすら水で冷やすしかないわね...それでも痛かったら明日お薬をあ・げ・る」と色っぽく突き放され、再び痛みに耐えながら帰宅する。確か晩飯は左手で食ったんじゃなかったろうか。
翌朝目覚めると、昨夜の激痛は大分緩和されていた。再び病院を尋ね美人の先生から処方薬を受け取る必要は残念ながらなくなったわけだ。
しかし、その後数日は指先の皮膚が火ぶくれして感覚が鈍くなり、細かい作業が出来なかった。一週間ほど経つと猛烈に痒くなり、角質化した皮膚がまるで日焼けの後のようにボロボロと剥がれ落ちていった。

...と、まあ、こんな経験をしていたので、厭な予感がした。しかも今回は大事な仕事を抱えている真っただ中だ。右手が使えなくなったら終いである。
急いで洗面所へ行き、前回と同じく流しにたっぷりと水を張って右手を突っ込む。数分浸しながら指先に神経を集中してみるが、痛みはまったく感じない。
水から出してみると、部分的にヒリヒリとした疼痛はあったが、我慢出来ないほどではないのでこのまま放ったらかして眠ってしまった。

一夜明けた今ではすっかり回復している。
しかし不思議だ。9年前とほぼ同じ状況だったにも関わらず、何故か今回は大事に至らなかった。今の私には仕事の神様が付いてくれているのであろうか...なんてオカルトっぽい考えが頭を過っても仕方あるまい。それとも「ツラの皮」もろとも「指の皮」まで厚くなったのか。

皆さん、オイルライターへのオイルの入れ過ぎには十分注意しましょう。

土曜の夜に

どうにか昼までに一仕事終わらせて鎌倉へ向かい、夕刻から関内へ移動する。どうしても行きたかった。どうしても行かなければ気が済まなかったのだ。

横浜野毛。いつもなら中華「三陽」でギョーザとネギトリを摘みにビールなのだが、この日ばかりは勝手が違う。迷わず向いの「萬里」へと直行する。

「日本で初めて餃子を出した店」と言われるこの北京料理店を知ることとなったのは、先日亡くなった平岡正明氏の著書『横浜的―芸能都市創成論』(青土社/93年)が契機だった(思えば元男娼のシャンソン歌手、元次郎氏の存在を知ったのも本書だった)。作曲者・エディ藩との「横浜ホンキートンク・ブルース」を巡る会話から。以下引用。


「ホンキートンク・ブルース」が野毛で出来たのは面白いですね、と俺は言った。
 横浜は野毛がいちばん面白いですよ、と藩広源(彼の本名)は言った。
 そうだ、横浜では野毛が面白い。彼の言うとおりだ。ポツリと彼が言ったことの年季がわかるまで俺は十年かかった。十年前には冗談だった。絵葉書的な横浜をとびきりキザに歌いつぐこの歌の元を、猥雑で、醤油くさくて、見映えのわるい野毛にはめてゆくはめ絵的な面白さを自分で笑っていただけだが、ハマに住むようになって、ガス灯風にデザインした街灯も、銀杏並木も、ブルーライトも、南蛮絵趣味たぷりの絵看板も、煉瓦と漆喰の西洋館もない野毛こそ横浜のヘソであると理解できるようになった。



後に「野毛大道芸」のプロデューサーとして尽力される氏である。それほどこの土地に対して愛着があり、そしてその魅力を知っていたのだろう。
本書のおかげで東京の辺境で生まれ育ち今も棲息している私でさえ影響されて、一般的にイメージされるであろう海側のモダンな「横浜的」な空間より、駅の反対側のネオン街の庶民的な雰囲気と、そこに潜む「闇」に親しみが持てるようになった。
さらに大岡川を西側へ行った京急のガード下や川沿いの娼婦たちに手招きされながら体感した極めてノワールな気分...私が描くモチーフのトーンが徐々に変化していったのもその頃からであろうか。

この日は生前の平岡氏が愛し推奨した"秘法19番「特別中華ランチ」"は注文しなかったが、焼餃子などの一品料理をつまみながら青島ビールで献杯する。
氏に対する、いちファンとしての私なりのささやかな弔いであった。


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横浜的―芸能都市創成論

永続する革命・平岡正明の死

「評論家の平岡正明さんが死去 ジャズ、落語など幅広く執筆」

ショックです。

平岡氏から放たれる、氏が敬愛したフリージャズの如く縦横無尽に躍動する刺激的な文体が大好きでした。また、こんな時代になっても自身を「永久革命家」と自認する肝の据わりっぷりは、決してブレることのない一貫した男一匹としての氏の生きる道であったと認識してます。

まず、完全無比なる「大藪春彦論」に触れ、その流れで豊浦志朗の『硬派と宿命』『叛アメリカ史』の存在を知り、船戸与一の屈強な世界観に到達したのも、すべては氏の評論が始まりでした。これは感謝しても仕切れません。

でも、死してなおその著作という遺産は残され読み継がれます。平岡さん、また古本屋でお会いしましょう。そして私をさらに鍛えてやって下さい。

私の脳味噌に多大なる爪痕を残してくれた平岡氏のご冥福をお祈り致します。

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今年に入ってからの相次ぐ大物著名人の訃報に、かなり滅入ってます。今後こうした流れはますます加速するでしょうけど...。人生は儚いですね。

まるでこれから羅針盤のない航行を続けて行かなくてはならないような。しかし、己の甲斐性を頼りに前進せねばなるまい、と肝に銘じて。

鳴らなくなったトランジスタ・ラジオ

ようやく清志郎に関して筆を執る気になりました。
彼からの多大なる影響やその功績を十分認めた上で、実直な感想を書かせて貰います。

ある意味、私が好きだった清志郎は、この日この瞬間を境に終わりを告げてしまったように思う。92年のステージから。



憧れだったMG'sをバックに、自身の黄金時代を彩ったオリジナル曲を演奏させ唄う珠玉の時間。あのスティーヴ・クロッパーの手によってこの曲のイントロが紡ぎ出された瞬間、彼の「R&Bの伝道者」としての役目はほぼその目的を達成してしまったのかも知れない。

ところがこの「夢」の続きがなかった。以降、彼は彼自身のイメージをただひたすらセルフコピーし演じる方向へと安逸に流れていってしまった。熱狂的なファンのニーズに応えるのも、また逆に反発を買うことも、すべては予定調和の域を脱することはなかった。発売禁止騒動など茶番劇としか思えなかった。肝心の音楽でカタルシスを与えてくれない。私はこれが大いに不満だった。

思えば、本当の意味でRCサクセションの音楽に愛着を持っていた周囲の「音楽好き」の多くは、この時期を境に、盟友・仲井戸麗市が生み出す派手さはないが実直な活動を注視してゆく方向へとシフトしてしまった気がする。そして残されたのは「ロックの象徴」という彼のパブリックイメージに対し盲目的に耽溺している批判精神なきイエスマンばかりであり、また若く新しいファンたちもこの流れに追随していった。

規格外の表現者であった孤高の天才は、なまじ世間に受け入れられてしまったが為に、その真価を最大限に発揮することなく特定ジャンル内でミニマムに終結してしまった感がある。当時は、この人ほど安定や成熟からほど遠い存在はいないと思っていたのだが...それが残念でならないのだ。

ん、七夕? それがどうした?

マラソンマッチの様相。心身共にかなり疲労が蓄積してきた。
考えてみたら、ほぼ中断なしで複数の作業を丸1ヶ月間続けていることになる(通常は1案件1週間前後ぐらい)。

ircleのジャケは一先ずネット上で一般公開されたが(発売はされないけど)他の作品が発表されるのはまだまだ先だ(ほかにも随分前に納品したにも関わらず、先方の都合で「放ったらかされて」いる作品がいくつかあるが、関係各位には「早いとこ世に出してやって下さい」と、ただ願うばかりだ)。

作品が商品として流通し、人目に触れて初めて、ようやく自分の使命は完結すると思っている。だから、描き終わった時点での達成感なんぞに浸っている余裕はないのである。

しかしこんな時に酒を飲んでも全然美味く感じない上にまったく酔えない。
これほどビールが不味い夏も珍しい。ある意味、経済的なのかも知れないが。

もう暫くこんないい加減な日記ばかり続きますが、よしなに。

長く暑い作業(しごと)

今週は週休0日制となっております。
でも今夜は、せめて晩飯時には久々に体内にアルコールを流し込もうかと思ってます(正味の話、一週間以上体内に一滴も入れていない状況)。

しかしミュージシャンってのは羨ましい。スタジオで製作過程中の姿ですら絵になるのだから。





作家でも、ピカソや棟方志功や岡本太郎がアトリエで格闘する姿は実に迫力があったが、PCの前でシコシコ作業している我々はどうにもサマにならない。傍から見たら、ネットで株やってるのと大して変わらない見てくれだろう。

芸道とは、それを行使している人間自体も美しくなければならない、というのが私の信条だ。なんとかせねば。

人生、たかくくったり嘲笑したりで

晩飯食い終わった途端こと切れて、こんな時間に目覚めてしまいました。
ここ数日は諸々の不安であまり眠れてなかったので...やはり睡眠はしっかり摂らないと駄目ですね。こういう状況もあと一週間ちょっとってことで。

徐々に白み始めている空を見てたら、ふいにビートたけしの曲が聴きたくなりました。






どちらも名曲。実に真夜中~夜明けの疲労感にフィットする声質。
やっぱりタケちゃんの唄はいいな、と、オールナイト世代としてはしみじみ思います。

ギスギス感のある生活

7月に入って一段落するどころか続々スケジュールが詰まってしまい、当初予定していたアクションが更に延び延びになりそうです。

お陰でここ数日は滅茶苦茶に狂った生活時間帯を過ごす羽目に。健やかな日常と引き換えに、せっせともの創りに励んでおります。

これが暇だと肉体的に健全でも精神的には不安定、逆に忙しいと身体には悪いが心は満たされているという状況。どちらかと言えば何がしかを産み出している分、後者の方が自分には最適な状態なのかも知れません。

解禁間近となりましたら、改めて諸々ご報告させて頂きます。

あと、またしてもブログのデザインを変えてみました。前のヤツは比較的旧式のテンプレで使い難い所があった為、どうにもこのままでは納得出来ませんでした。こういう事って、拘り出すと本当にキリがない。

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Author:泰山 / TAIZAN
I'm a man.
I'm just an average guy.

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