硬派の宿命・野望篇

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観察者の特権

今月の30日、船木誠勝がプロレスのリングに帰ってくる。

船木、みのる戦へ「一戦交えてみて。でも元の関係には…」=8.30全日本プロレス

実情はともかく、新生UWF移籍以降が彼の「格闘家」としての人生だったとしたら、実に20年振りに「純プロレス」のスタイルに回帰することになる。

若干15歳でデビュー。その華のあるルックスとセンスから新日本プロレスを背負って立つ「21世紀のエース」と期待されたが、当時業界の最先端を行く革新派だったUWFへと合流。UWF解散後、藤原組を経てパンクラスを設立。
31歳の若さで総合格闘家としてのキャリアにピリオドを打ち、後に俳優へと転身。そして一昨年に再びMMAのマットへと復帰するも年齢と時代の流れには勝てず負けが込んでいるという厳しい現状。

同世代人として、ここまで波乱万丈な人生模様を我々に叩き付けている人物は他ジャンルを見渡してもなかなかいないだろう。

当日のチケットはすでに押さえた。
そんな生ける伝説が、因縁浅からぬ男たちと華々しい舞台で邂逅するシーンを間近で目撃出来る幸福。これはひとつの世界を長年見続けてきた者たちだけが分かち合える特権である。

若い人たちへ。
今、貴方たちの身の回りにある大好きなものを、これからも大切にし続けて下さい。
たとえそれらが時代の潮流から外れたり、逆境に立たされたりして一時輝きを失ったとしても、「アテが外れた」と安易に見限ったりしないで、常に自分の心の中に留めておけるよう心掛けて下さい。
そうすれば、10年20年後に、思い掛けないプレゼントが舞い込んで来るかも知れません。人生、捨てたもんじゃないよ。


船木誠勝 vs 鈴木みのる(1994年10月15日/両国国技館 )


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