硬派の宿命・野望篇

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U.W.F.戦史 2

前作『U.W.F.戦史 -1983年~1987年 誕生 勃興編-』の続編。
年一冊の刊行ペース。前作も昨年の今頃に読了した記憶がある。

『U.W.F.戦史 -1983年~1987年 誕生 勃興編-』(泰山堂通信「硬派の宿命」)

引き続き本書は、前田日明率いる「出戻りU」が古巣の新日本で、リング上で、そして政治的にも軋轢を生み出し、長州襲撃事件による前田の解雇を契機に名実共に独立を果たした「その後」を、その当事者たちとは殆ど縁もゆかりもない第三者が当時の資料を元に完全なる客観視点で綴った「通史」である。

特筆すべきは、単純に本書のテーマであるUWFという運動体の活動のみにスポットを当てるのではなく、同時期の他団体の内情やその後の展開に、新たに生まれ落ちたUWFが如何に影響を与え呼応していったか(特に前田と天龍の関係)という具合に、並走する複数の歴史の横軸を繋げるというアプローチに尽きる。著者が本書を「歴史書」と定義する意志が理解出来るというものだ。

特に前田たちに去られた新日本のその後は混迷を極めている。これはその状況をリアルタイムで眺めていた私も当時実感していたことだが、70年代に猪木が孤軍奮闘し構築してきた世界観やイデオロギーがごっそりUWFという団体に形を変えて抜け落ちてしまったかの様相であった。すべては猪木の「老い」が発端だったとしか言い様がない。
古いシステムは志を持った若者たちによって刷新される。歴史は繰り返されたのだ。

そんな新日本に見切りを付けた当時のファンが、「猪木的」な思想を受け継いだ前田率いる新生UWFにプロレスの新たなる未来像を託したのは当然の成り行きだった(実際、私もそうだった)。
事実、UWFは社会現象となり、前田は若者たちのカリスマとして一躍時代の寵児となる。しかしその栄光と裏腹に団体の内実は違っていた。

プロスポーツとしての魅せ方と純粋な勝負論との整合性と矛盾。選手とフロント間の乖離。藤原、船木、鈴木という後発メンバーと古参との確執。そして練習生の事故死...旗上げ後の一見順風満帆な活動の水面下で、そう遠くない未来に訪れるであろう崩壊の種はすでに撒かれていたのだ。

格闘界のオピニオンリーダーとなった前田も、こうした諸問題に巻き込まれ次第に苦悩と自己矛盾を抱えていく。
革命者は、決して良き統治者にはなれない、という事実は歴史が証明している。どんなに高潔な理想を持って立ち上げた団体であっても、組織というものは時間が経過すればまず間違いなく腐敗するのだ。
やがて前田も、かつて自らが追い落とした猪木や佐山の如く、同士たちから追放される運命にあった。

おそらく1年後に刊行されるであろう「UWF三国志」で、その夢の終わりが淡々と描かれることになるだろう。


U.W.F.戦史〈2〉1987年~1989年新生U.W.F.復活編U.W.F.戦史〈2〉1987年~1989年新生U.W.F.復活編
(2009/08)
塩澤 幸登

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