硬派の宿命・野望篇

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信濃川日出雄『fine』

若い友人が教えてくれた「アート」をテーマにしたコミック。
ここ10年ほどはまったくアップ・トゥ・デイトな作品を読んでなかったからとても新鮮だった。これまでまったく読んだことのない作家さんだったし。

「信濃川日出雄のブログ」プロフィール

主人公の男は美大(正確には一般大学の芸術学科)出身で、20代後半になった現在でも、納得いかない安いイラストの仕事で糊口を凌ぎながらも「アーティスト」としての矜持を貫きながら不器用に生きている。お陰でズブズブの商業主義であるこの国のアート界とは当然の如くソリが合わずまったく相手にもされていない。
学生時代の友人たちはすでに皆それぞれの道を確実に歩み始めていて、彼らからは尊敬と嘲笑の入り交じった感情で「まだ絵描いてたんだ?」なんて言われる始末...最早すっかり取り残された主人公。なまじ学生時代はカリスマ性を持ったリーダー的存在だっただけに、悪い意味での自分の不変さや融通の利かなさを痛感する毎日。
果たして彼は「自分らしさ」を成就させ、アーティストとして世の中に認められる時が来るのであろうか...

ざっとこんなストーリー。求道的であり、なかなか哲学的でもある。
自身の存在理由とイデオロギーを貫徹させる為に、立ちはだかる現実社会から押し付けられるルールとの軋轢とどのように向き合ってゆくか。夢の具現化にひたすら迷走を続ける若き主人公とその友人たち。
このように「反社会」ならぬ「非社会」的な生き方を模索し苦悩する主人公の求道的な姿に、『迷走王 ボーダー』に登場する蜂須賀の姿がダブッて見えた。まさにアート版『ボーダー』という手触り。

しかし全4巻というのは、この重厚なテーマを描き切るには余りに分量が足りな過ぎるのでは、と正直なところ思った。あの『ボーダー』でさえ全14巻で尻切れトンボだったのだから...。

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その若い友人と知り合ったばかりの頃、彼は私を指して、本書の主人公の「その後の姿」を見ているようだ、と言った。

しかし、私の若い頃はとても状況の舵取りを出来るような人間ではなかったし、強烈な表現力もそれを誇示しようという欲求も希薄だった。そもそも主人公と同年齢の頃はとてもじゃないが闘える準備がまだ出来てなかったのだ。
青春という時間を存分に駆け抜けることが叶わなかったからこそ、自分にとっての今がある。まだまだこのストーリーの結末に於ける主人公のように達観してはいないのだよ、俺は(苦笑)

本書の存在を教えてくれたお返しに、今度は私が彼に何かを贈ろう。


Fine. (1)Fine. (1)
(2006/06/30)
信濃川 日出雄

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ボーダー vol.3―迷走王 (3) (双葉文庫 た 33-3 名作シリーズ)ボーダー vol.3―迷走王 (3) (双葉文庫 た 33-3 名作シリーズ)
(2008/02/19)
狩撫 麻礼

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