硬派の宿命・野望篇

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夫々の故郷

JBが怒濤のファンク・ナンバーの合間に、不器用だが切々と唄うバラードが好きだ。
それはまるでヒールレスラーが試合中に時折見せる、ファイターとしての真のポテンシャルが発揮されたクリーンファイトのように、「何か」が垣間見えるリアリティ溢れる瞬間であるからだ。

しかもこの映像の頃(79年)のJBは落ち目の時代で、波に乗っていた70年代初頭のステージに於ける同曲の出来よりも、ドサ廻りを経験した故か「味わい深さ」が格段に違う。実に優しく、表現が豊潤になっている。やはり人間、苦労しないと得られないものは確実にあるのだな。たとえ天才でも。

そもそもジョージア育ちのJBによる「Georgia On My Mind」が悪かろうわけがない。想いの深さが違う。人の郷愁というものをナメちゃいかん...と、明確な故郷を持たない男は無責任にも思うのである。



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