硬派の宿命・野望篇

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増位山という好漢



ある意味、増位山(現・三保ヶ関親方)は男性として完璧な存在と呼べるかも知れない。

親子二代で最高位大関という血統の良いスポーツ・アスリートでありながら、美声の持ち主でプロ歌手としてヒットまで飛ばしてしまう始末(高音の鼻にかかったビブラートがセクシーでたまらないのだ)。
絵の腕もかなりのものだそうで二科展の常連、そのハンサムなマスクで女性にもモテる。反面、重度のカメラコレクターという実に男の子っぽいオタク的趣味も併せ持っているという厭味を感じさせないバランスの良さ。現在は協会の重職に就き親方業も盤石。

彼の数々の輝かしい功績のうち、果たしてどれだけの男たちがその内のひとつでも成就させることなくそれぞれの生涯を終えることであろう。

これは現衆議院議員の馳浩にも言える。
教員→レスリングで五輪出場→プロレスラー→国会議員、カミさんは大作家の娘
という華麗なる経歴。

...しかし一人の男として、こうしたバランス感覚が逆に物足りない。有り余る栄光を手にした男なのに。
多くの男性たちが魅力を感じる男とは、やはりどこかタガが外れた「俺にはこれしか出来ん」という不器用さと居直りを持ったバランスの悪い者たちなのだろうと改めて思う。わかり易い信念の強さというか。

だが、増位山の美声は今後も聴き継がれるべき魅力に満ちている(少々強引な締めだが)。
屈強な男が水商売の女の心境を切々と歌うというコントラストが好きだ。

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